書評
—北原光夫・上野文昭編—内科医の薬100—Minimum Requirement
青木 眞
1
1国立国際医療センター・国際医療協力局AIDS医療情報室
pp.339
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904110
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私は感染症が専門なので,抗菌薬の部分を中心に書評を書かせていただくことにした.
通常,病院予算の半分を占める抗菌薬は,本書の中では26種類,全体のおよそ1/4を占める.この26という数は,私が前の勤務先である聖路加国際病院で採用した抗菌薬の数と似ている.そしてこれは偶然ではなく,米国の一般的な病院では,だいたいどこの施設でも抗菌薬の種類はこのあたりに落ちつき,大学病院なども例外ではない.しかし,必要な抗菌薬の種類が,抗ウイルス薬や抗結核薬などのすべてのクラスを含めて26種類とは,わが国の一般病院がセフェム系だけでも20種類を越える品目を揃えている事実とは非常に対照的である.この違いはどこからくるのだろうか?これを説明するものは,私は基本的に抗菌薬の評価システムの差であると思う.
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