特集 その考えはもう古い!—最新・感染症診療
コラム
感染症の生涯学習法—未来予測を意識する
岸田 直樹
1
1Sapporo Medical Academy
1Sapporo Medical Academy
pp.601-603
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227581
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新しい情報が加速度をつけて増加するなか,感染症に限らず,生涯学習の方法は近年注目されてきた.どのような一次資料をどのように読めばいいか? というEBM学習の時代から,それをまとめた有益な二次資料とその使い方の時代があった.しかし,いわゆる書籍のような二次資料では作られたときにはもはや古さを感じてしまう時代にすぐになり,迅速にアップデートされる二次資料であるまさにその名の通りUpToDate® などのネットによる二次資料教材が世に出て,それを教育ツールとして使うことが当たり前という流れとなった.さらに,それが日本語でも気軽に使えることがやはり日本人にとって大切であることから,日本におけるUpToDate® をうたうものが出てきて現在に至る.
このように,情報量が加速するのに合わせて,その対応も進化してきているが,いま,この生涯学習という考え方も新しいフェーズに入ってきていると感じる.それがネットでの独自の検索やSNSからの情報収集となる.これは一時期あった,一次資料に対するEBMの批判的吟味と似たスキルをコアに持つが,さらに時代は進化し,膨大な一次資料を処理するのも至難の業ではない世の中になった.ハゲタカジャーナルという言い方があるように,そのようなところの一次資料がよくなく,メジャージャーナルがよいという1つのセレクションが以前はよくかかっていた.いわゆるインパクトファクターが高い雑誌がよいであろうというセレクション方法は,いまも大きく間違っているとは言い難い.しかし,「インパクトファクターよりもハイインパクトな研究を」と近年言われるように,現在必ずしもそうとは言えない.
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