新しく看護学生になった人たちへの手紙・3
人間研究と生涯学習
大段 智亮
1
1看護人間学教室
pp.388-395
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907000
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‘長’族には人間の看護の援助や指導はできない
今まで,看護という仕事が,本来,いかにやっかいなものであり難しいものであるか,について話してきた.これは,しかし,私がそういうことを他人ごととして語っているのではない.私の本職であるカウンセリング,しまやっている‘組織開発’、すべて‘人間相手’の‘援助’であり,その難しさは看護と同質のものと言ってよいのである.ただ,看護には,人間の‘生死'がからんでくる.そのところが,たいへんなのである.‘生死事大’という昔からの言葉もある.
さて,看護というものの仕事としての難しさを述べてきたのだが,仕事が難しいから,やめろ,とは何事か.難しい仕事だからこそ,やりがいもあるというものではないか.その通り,その通りであるが,もう1つ,もっとやっかいな条件があることを申し上げなくてはならない.それは,日本の現在の医療と看護を動かしている人たちについてである.つまり,日本の医師,日本の看護婦といった人たち,看護学校に入った皆さんが,これら実際に付き合い,教師として指導を受け,上司として指揮される.その人たちについて私の感じるところ,考えるところを率直に申し述べたいのである.
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