特集 超高齢時代の内科診療
糖尿病
血糖コントロール不良例には良好例よりも認知機能低下症例が多く潜在するか?
櫻井 孝
1
1国立長寿医療研究センターもの忘れセンター
pp.1614-1616
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224373
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ポイント
●糖尿病は成年期〜高齢期を通して認知症のリスクである.
●糖尿病では認知症がなくても認知機能が少し低下する.食事の準備,内服管理などのIADLの支障をきたし,セルフケアの障害につながる.
●慢性高血糖では認知症・認知障害のリスクが高まる.
●血糖管理を正常化するトライアルでは,認知機能改善効果は認められなかった.一方,重症低血糖は認知症のリスクである.また認知症では,低血糖のリスクが増加する.
●成年期から認知症の予防を考えた糖尿病治療を行う.高齢者糖尿病では,低血糖に十分な配慮を行い,高血糖を是正すべきである.
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