特集 私の看護はこれでいいの? ~若手看護師が苦慮する症状マネジメントのコツ~
【各論】 対応に苦慮する症状のマネジメント
コントロール不良な疼痛
勝又 早和子
1
Sawako KATSUMATA
1
1静岡県立静岡がんセンター看護部/副看護師長,緩和ケア認定看護師
pp.334-337
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_334
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本稿では,神経障害性疼痛の事例について述べる.
事例紹介
B氏,30代,女性,子宮頸がんⅢb期(cT3bN1M0).
201X-2年,下腹部に腫瘤が触れていたが,子宮筋腫であろうとしばらく様子をみていたところ201X年5月に子宮からの多量出血により救急搬送され,子宮頸がんⅢb期の診断を受けた.手術適応はなく放射線化学療法を行ったが治療効果は得られず,症状緩和目的で緩和ケア病棟に入院となった.身体症状として,左腰部から下肢にかけてビリビリとしびれるような疼痛[numerical rating scale (NRS): 8/10]が持続していた.疼痛に対して,担当医からオキシコンチン®錠(オキシコドン)30 mg/日,レスキュー薬(オピオイド速放製剤)はオキノーム®散(オキシコドン)5 mgが処方された.レスキュー薬内服後1時間も経たずに疼痛の訴えを繰り返し1日10回以上内服することもあったためオキシコンチン®錠は30 mg→40 mg→60 mgに増量されたが,思うような除痛は得られなかった.疼痛緩和に難渋し,日常生活の制限にいたった.
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