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特集 1型糖尿病のトータルケア
Ⅱ.1型糖尿病の膵島保護および移植
良好な血糖コントロールは膵島β細胞を保護する
Good glycemic control may preserve residual beta cell function in acute onset type 1 diabetes
福澤 正光
1
,
赤井 裕輝
2
1仙台徳洲会病院糖尿病代謝内科
2東北労災病院糖尿病代謝センター
キーワード:
①1型糖尿病
,
②膵島β細胞
,
③インスリン分泌能
,
④血糖コントロール
,
⑤HbA1C
Keyword:
①1型糖尿病
,
②膵島β細胞
,
③インスリン分泌能
,
④血糖コントロール
,
⑤HbA1C
pp.193-196
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101038
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□はじめに
劇症1型糖尿病を除く1型糖尿病では,糖尿病発症当初,β細胞は完全には破壊し尽くされておらず,内因性インスリン分泌能はある程度の残存を認める例が多い.
しかし,その後の経過とともにさらにβ細胞の破壊が進み,インスリン分泌能が急速に低下し(緩徐進行1型糖尿病を除く),数年で完全に枯渇するのが一般的である.これは自然経過として,自己免疫反応性のT細胞などを介したβ細胞破壊が進んだ結果と考えられている(Box 1).
その一方で,1型糖尿病で発症早期から良好なコントロールを継続し得た症例で,残存インスリン分泌能の低下が緩やかで,数年後にも枯渇しない症例を稀ならず経験する.
また,近年糖毒性1)の膵β細胞に与える影響について明らかにされ,慢性の高血糖がβ細胞を障害することが報告され,良好な血糖コントロールによるβ細胞機能(インスリン分泌能)の維持が主に2型糖尿病において注目されている.
はたして,良好な血糖コントロールは1型糖尿病において膵島β細胞を保護するのであろうか?
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