特集 超高齢時代の内科診療
糖尿病
メトホルミン—高齢者に対するメトホルミン投与は本当に危険で不利益な治療なのか?
荒木 厚
1
1東京都健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科
pp.1618-1621
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224375
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ポイント
●メトホルミンの使用は心血管疾患,サルコペニア,フレイル,死亡を減らす報告がある.
●メトホルミンの使用はSU薬やインスリンの減量により,低血糖のリスクを減らすことができる.
●メトホルミンは腎機能,消化器症状,水分摂取,体重などをモニターして慎重に使用し,体調不良の場合は中止する.
●高齢者に対しては,定期的に腎機能をeGFRで評価してメトホルミンを使用し,eGFR<30 mL/分/1.73 m2であれば禁忌である.
●高齢者へのメトホルミン使用は腎機能の正確な評価とシックデイ対策が十分になされるならば可能であり,さまざまな利益をもたらすこと期待される.
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