特集 内分泌疾患を診きわめる
甲状腺疾患
ホルモン欠乏症
【原発性甲状腺機能低下症】
潜在性甲状腺機能低下症
志村 浩己
1
1福島県立医科大学医学部臨床検査医学講座
pp.2173-2176
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224510
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ポイント
●潜在性甲状腺機能低下症は,血中TSHが高値であるが,血中FT4が基準範囲にとどまる病態である.
●潜在性甲状腺機能低下症は無症候のことが多いが,脂質異常症,心不全,動脈硬化性疾患のリスク要因になりうる.
●潜在性甲状腺機能低下症に対する甲状腺ホルモン補充療法は,原因の鑑別診断を行うとともに,経過観察による高TSH血症の持続性および合併症やリスクを確認したうえで行う.一般的にはTSHが10 μIU/mL以上の場合に治療の適応となる.
●潜在性甲状腺機能低下症による妊孕性の低下や流早産のリスクが指摘されており,妊娠を望む女性や妊婦ではより軽症からの治療が推奨されている.
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