特集 超高齢時代の内科診療
糖尿病
DPP-4阻害薬は高齢者の薬物治療の第一選択になりうるか?
萩原 誠也
1
,
種田 紳二
1
,
萬田 直紀
1
1萬田記念病院糖尿病センター内科
pp.1609-1613
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224372
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ポイント
●DPP-4阻害薬は腎機能低下例にも比較的安全に投与可能であり,消化器系副作用や体重への影響が少なく,単独投与では低血糖リスクが低いことが特徴である.
●DPP-4阻害薬に関する臨床研究では,心血管疾患や老年症候群を予防するというエビデンスはまだ不十分であり,大規模臨床試験などのさらなるデータの集積が待たれる.
●DPP-4阻害薬は,SU薬やインスリン併用時の低血糖が大血管障害発症に関与している可能性は否定できないが,単独投与では低血糖を起こしにくいため,むしろ初期治療には安全であり,今後は高齢者糖尿病治療の第一選択になりうると考えられる.
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