今月の主題 リウマチとその周辺
病因と病態
リウマトイド因子
渡辺 一雄
1
,
粕川 禮司
1
1福島県立医科大学第2内科
pp.958-959
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221694
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リウマトイド因子(Rheumatoid factor:RF)は,IgGのFc部分に対する自己抗体である.最初に慢性関節リウマチ(Rheumatoid arthritis:RA)患者血清中に発見され1),RA患者で陽性率が高いことから,リウマトイド因子と呼ばれているが,必ずしもRAに特異的な自己抗体ではない.さらにRF陰性のRA患者が存在すること,精製RFを正常人に注入しても,障害作用は起こらないことから,一時期その病因的意義に疑問がもたれたが,測定法の進歩や,関節局所での検討などから,現在ではRAの病因に大きく関与していると考えられている.
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