特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
リウマトイド因子
熊谷 俊一
1
1神鋼病院膠原病リウマチセンター
pp.446-448
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104814
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
リウマトイド因子(rheumatoid factor:RF)はウサギ抗体感作ヒツジ赤血球を凝集させる物質(ロイマ因子)として,関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)患者血清中に発見された.RFはIgGに対する自己抗体であることが明らかにされたが,その産生機序はいまだ不明である.その後,抗原もヒトIgGが用いられ,赤血球の代わりにラテックス粒子(RAテスト)やゼラチン粒子(RAPA)を用いた定性法や半定量法が開発されてきた.現在は定量法が主流となり,LA-TIA(ラテックス凝集免疫比濁法)やLA-NIA(ラテックス凝集免疫比ろう法),TIA(免疫比濁法)などがあるが,これらの検査は主にはIgMクラスのRFを検出する.
RFにはIgAやIgGなど,ほかのクラスも存在することが知られ,そのうちIgG-RFは保険収載されている.また,RA患者由来のIgGのCH2ドメインに結合しているN-グリコシド型糖鎖はガラクトースを欠いていることが知られ,これを抗原とした抗ガラクトース欠損IgG抗体(CA・RF)が開発された.CA・RFは検出にレクチンを使用しているため,すべてのクラスのRFを測定すると考えられ,早期診断での有用性が期待されるが,非RAでの陽性例も多い4).
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.