講座 胃癌診断・2
胃癌はどこまで救命できるか—X線診断の限界と胃集検方法の改善よりみた救命率
西澤 護
1
,
志賀 俊明
2
1東京都がん検診センター
2東京都がん検診センター・内科
pp.922-925
発行日 1988年5月10日
Published Date 1988/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221687
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有病率からみたX線診断の限界
前号で述べたように,胃集検受診者よりアトランダムに選び出された50歳以上の男女14,720人に対し「間接X線 要精検→100% 直接X線 要精検→100% 細径パンエンドスコープ」という方式で,結局全例に精密な細径パンエンドスコープを行い,有病率を算出した結果,50歳以上の男性から2.0%,女性から0.89%,早期癌の割合が71%という値が得られた。
これらの発見された進行癌64例,早期癌160例について,X線フィルムを見直してみると,図1のように間接X線で病変のチェックができるものは進行癌で90%,早期癌で30%,直接X線で病変のチェックできるものは進行癌で95%,早期癌で60%であった.
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