今月の主題 転換期に立つ検診
検(健)診実施上の問題点
胃集検
有賀 槐三
1,2
1日本胃集団検診学会
2日大
pp.982-983
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204850
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筆者は45年秋日本胃集検学会東北地方会,46年春同関東甲信越地方会.その他において「集団の医学」を提唱し,これについて講演した(日本医師会医学講座,昭和46度,金原出版掲載).それは多年の胃集検の経過とその成果から,集団を対象とした医学の重要性を痛感したからである.胃集検によって臨床医学および公衆衛生学の面に新しい分野が開拓され,幾多の成果がもたらされてきており,これらは「集団の医学」が新しい医学の分野として重要であることを示している.
集団検診は普通に生活している人々の中から異常者を拾い上げ,次にこれらから有病者を診断し治療あるいは監視し,さらにはその経過を追跡していくものである.すなわち,まず第1に対象集団をある程度の有病(疑診)者群に濃縮し,さらに疾病群に濃縮する.そして同一疾病群あるいは要注意者群として治療あるいは監視あるいは経過観察をしていくものである。したがって常に集団の立場から医療(広義の)を行なうものである.
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