印象記
―胃集検学会シンポジウム―外来集検
高橋 淳
1
1日本大学有賀内科
pp.552-553
発行日 1967年4月25日
Published Date 1967/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110515
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胃集団検診は野戦的色彩が濃く,局地戦の域を出ていないと思われる.しかも局地の戦いとはいえ,この目標とするところは同じで,作戦計画も実戦方法も大同小異である,だからこの戦像を統一して,もう少し能率よく作戦計画を樹立したらどうだろうかという考えも出てくる.この場合基本になるのは武器と兵力の動員計画であろう.レントゲン車という武器が余る程あっても,フィルムを読んだりその後に続く精密検査能力の動員が不充分なら,その作戦はうまくいく筈はない.この人的動員計画の能率性という立場から,外来集検の概念が生まれてきたように思われる.
癌の問題が一般化されてきたので,健康診断的要素を持った人達が外来を訪れるのが多くなってきた.このことは病院外来の集団化を余儀なくされることになり,胃腸診断部門のneckが最も大きな問題となっている.従って胃腸診断の能率化が必要なわけで,ここにも外来集検という考え方が生まれてくる基盤があるように思われる.
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