講座 胃癌診断・1
胃癌はどこまで救命できるか—有病率の算出と胃集検成績の比較
西澤 護
1
,
志賀 俊明
2
1東京都がん検診センター
2東京都がん検診センター内科
pp.746-749
発行日 1988年4月10日
Published Date 1988/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221649
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有病率の算定
昨年12月(24巻13号)まで,本誌で胃疾患のX線診断について対談を行ってきた.その中で,すでに胃癌診断の問題点および診断限界まで述べているが,いくつかの問題点は残されているとはいえ,胃癌のX線診断は著しく進歩した.それにX線と内視鏡を併用すれば,5mmから3mm位の微小癌までも見つけられるようになった.しかし,この診断限界は精密に熟練したものが行った時にそこまで診断しうるという意味であって,集団検診を含め,検査を受けたものがすべて救命しうる癌で発見されるということではない.
もちろん,愁訴があって受診する一般医療機関では,どんなに精密に検査を行っても救命できない癌が多く発見され,すこし雑であっても健康人の集団検診の方がより多くの救命しうる癌が発見されることは,長年経験されてきたことである.
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