痔核・痔瘻・裂肛ガイドラインを解説する 裂肛
裂肛の有病率,病因
梅枝 覚
1
1四日市羽津医療センター 大腸肛門病センター
キーワード:
ライフスタイル
,
分類
,
有病率
,
裂肛
Keyword:
Classification
,
Fissure in Ano
,
Life Style
,
Prevalence
pp.666-671
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015271539
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裂肛とは,歯状線から肛門縁の肛門上皮に生じた裂創,びらんなど,非特異的潰瘍性病変の総称である.狭義には特殊な疾患(結核,梅毒,悪性腫瘍,Crohn病など)や皮膚疾患を原発とするものである.裂肛の成因としては,肛門上皮の損傷説,肛門腺感染説,肛門上皮の虚血説などがあるが,成因は一つではなく症例により異なり,また同時に複数が原因となっている場合がある.発生原因にはライフスタイルが大きく関与しており,年齢,性差においても発生頻度が異なってくる.急性裂肛から慢性裂肛にいたる特徴として,肛門の創傷と疼痛,機能的狭窄と器質的狭窄により難治性化することが知られている.また肛門には解剖学的特徴があり,裂肛は肛門上皮の正中後方に多く発生する.治療には,成因となる要素を取り!除き,症例ごとに適応を検討し総括的な治療を行う必要がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2015