増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅶ 血液疾患治療薬
出血傾向
183.血友病,フォンヴィルブランド病の補充療法
藤巻 道男
1
,
福武 勝幸
1
1東京医科大学・臨床病理
pp.2208-2209
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221303
- 有料閲覧
- 文献概要
血友病には,先天性第VIII因子欠乏症の血友病Aと,先天性第IX因子欠乏症の血友病Bとがあり,両疾患はともにX染色体上にある遺伝子の異常によって発生し,伴性劣性遺伝を示す.血友病Aに類似して第VIII因子の低下あるいは欠乏を示す疾患としてフォンヴィルブランド病があるが,これは常染色体に支配されるフォンヴィルブランド因子の異常によって起こる疾患である.
血友病治療の大原則は,出血に際し可及的早期に補充療法を行い,止血を計ることである.わが国でも1983年から自己注射療法が厚生省により正式に許可され,医療機関で実施している自己注射教育プログラムなどを受講し自己注射の許可を得ている患者は,出血を感じた際にただちに自己注射ができるようになった.これにより,軽症の出血は短時間で回復し,慢性的な障害の防止に大変役立っている.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.