増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅶ 血液疾患治療薬
出血傾向
182.後天性プロトロンビン欠乏症の薬物治療
末廣 和久
1
,
斎藤 英彦
1
1名古屋大学医学部・第1内科
pp.2206-2207
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221302
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血液凝固因子のうち,プロトロンビン(第II因子),第VII因子,第IX因子,第X因子およびプロテインC,プロテインSなどは,肝での合成にビタミンKを必要とすることから,ビタミンK依存性凝固因子として知られている.第II,VII,IX,X因子は,合わせてプロトロンビン複合体と呼ばれており,後天的にはこれらの欠乏は同時に起こることがほとんどである.
一般にプロトロンビン複合体の欠乏は,プロトロンビン時間の延長や,トロンボテスト値,ヘパプラスチンテスト値の低下という検査所見により診断できる.上記の検査所見に異常があり,臨床的に出血傾向がみられる場合は,速やかに治療の対象とする.
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