今月の主題 糖尿病診療の現況
糖尿病の治療と患者指導
経口血糖降下剤の使い方
三家 登喜夫
1
,
宮村 敬
1
1和歌山県立医科大学・第1内科
pp.38-39
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220758
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インスリン治療の普及後に実用化された経口血糖降下剤は,インスリン注射の繁雑さに比べ,気楽に治療ができるということで関心が高まり,約30年の経過をへた現在でも,II型糖尿病(NIDDM)の治療に広く用いられている.この間,1970年にはUGDP(University Group of Diabetes Program)1)が,本剤の長期使用例に心血管死が高頻度に出現すると報告し,大きな波紋をなげかけた.また重症低血糖事故の報告や,ビグアナイド剤使用例における乳酸アシドーシスの発生なども指摘された.しかし現在では,経口血糖降下剤を使用する医師が,その薬理作用,使用方法,副作用などについて正しい知識をもち,注意深く使用すれば,NIDDMの治療法の1つとして有用であると考えられている.
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