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これだけはマスターしよう!糖尿病臨床研修ガイド 第4回
経口血糖降下薬の使い方と注意点
Establish attainment targets in postgraduate clinical training of diabetology
中神 朋子
1
1東京女子医科大学糖尿病センター内科
pp.636-640
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100269
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2型糖尿病患者の治療に際し,食事療法や運動療法を励行しても血糖の改善が認められない場合,経口血糖降下薬を投与し治療を継続することになる(Box 1).近年,様々な経口血糖降下薬が開発され,患者の病態,合併症,薬剤の作用特性を考慮し薬物を選択することが可能となった.現在,われわれが使用できる経口血糖降下薬には,スルホニル尿素薬,ビグアナイド薬,α-グルコシダーゼ阻害薬,チアゾリジン誘導体,速効型インスリン分泌促進薬がある.個々の患者において,2型糖尿病の病態の特徴である,インスリン抵抗性と分泌不全(Box 2)の寄与程度が微妙に異なることを念頭に,薬物の特徴を生かし,個々の患者に合った薬物の組み合わせを選択する必要がある.
目的
・血糖値の正常化.
・慢性合併症,急性合併症防止.
・膵島β細胞の機能を回復させる.
薬剤の選択
・どの薬剤をどのような組み合わせで用いるかにより,血糖がどの程度降下するのか,副作用はどうかなど(Box 3)を熟知したうえで薬剤を選択する.
・患者の病歴やβ細胞機能および肥満の有無また,性格や仕事などを全体的に評価し薬剤を選択し,使用量,内服時間,遵守の程度,副作用など定期的にチェックする.
・妊娠中または妊娠する可能性の高い場合には経口血糖降下薬は使用しないこと.
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