今月の主題 新しい糖尿病の臨床
治療
経口血糖降下剤の問題点—ビグアナイド剤
平田 幸正
1
1東女医大糖尿病センター
pp.482-483
発行日 1978年4月10日
Published Date 1978/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207818
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はじめに
ビグアナイド剤が糖尿病に対する治療薬として登場したのは1957年である.この最初の薬剤は,フェンホルミンであった.続いて同じくビグアナイド剤に属するメトホルミン,ブホルミンがわが国では使用されるようになり,今日に至っている.
このビグアナイド剤に関する最大の問題点は乳酸アシドーシスであり,最近,この乳酸アシドーシスがフェンホルミン使用例中にかなりの頻度で発生することと,この乳酸アシドーシスの死亡率がきわめて高いということが注目され,ついにフェンホルミンは,発売以来20年を経たのちに使用中止の段階を迎えることになった.ここでは,このトピックを取り上げることとしたい.
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