今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー
免疫反応の関与が考えられる呼吸器疾患
薬剤性肺臓炎
茆原 順一
1
1京都大学結核胸部疾患研究所・内科第2
pp.1212-1213
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220454
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近年,医学における治療学の進歩は著しいものがあり,これは多種の薬剤の新開発や,多剤併用法など投与法の進歩に負うところが多いと思われる.しかし,その一方,薬剤投与に起因する臓器障害の程度と頻度の増加も注目され,臨床上重要な点となってきている.臓器障害として,当然,肺という臓器もそのtarget organになりうるわけであるが,肺という臓器が多様な機能と構造よりなるため,その障害の発現も多種多様である1,2).
これらを大別すると,bronchial asthma(アスピリン,インドメサシンなど),hypersensitivity pneumonitis(下垂体後葉末など),PIE syndrome(ニトロフラントイン,ミノサイクリン,PASなど),interstitial pneumonitis & fibrosis(金塩,プロカインアミド,各種抗癌剤),vasculitis(SLE like syndrome)(金塩,メチルドーパ,ジギタリスなど)があげられる.これらのうち,薬剤性肺臓炎が最も臨床上重要である.
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