今月の主題 肺機能検査から疾患肺へ
各種肺疾患と機能検査
過敏性肺臓炎
金野 公郎
1
,
山口 美沙子
2
Kimio KONNO
1
,
Misako YAMAGUCHI
2
1東京女子医科大学・第1内科
2東京女子医科大学・内科
pp.2075-2077
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217541
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過敏性肺臓炎とは有機塵埃抗原を吸入することによって個体が経気道的に感作され,再びこの抗原を吸入すると,肺に肉芽腫形成を伴う肺臓炎がひき起こされる一群の疾患である.現在知られている抗原物質の大きさは1μ以下のものが多く,したがって病変の主座は肺胞および呼吸細気管支領域であり,そのpathologyも肺胞実質系では問質性肺炎像から線維化,あるいは嚢胞状気腫化まで多彩な変化がみられ,気道系でもとくに細気管支炎などが知られている.したがって本症は病態生理学的見地からみると,これら多彩なpathologyおよび免疫学的機序(III型アレルギーあるいは最近問題となっているIV型アレルギーの関与)と対応する可逆性病変と不可逆性病変との共存,および肺胞病変と気道病変との共存とを背景とする多彩性によって特徴づけられ,かつこの特徴性は本症の病態の経時的推移によってはじめて把握しうる特質も有している1).
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