Japanese
English
綜説
肺臓炎(間質性肺炎)
Pneumonitis (Interstitial Pneumonia)
吉田 清一
1
Seiichi Yoshida
1
1東京大学医学部第3内科学教室
13rd Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.192-201
発行日 1971年3月15日
Published Date 1971/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202241
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
肺臓炎という標題を与えられたが,pneumonitisにあたるものと解釈して,以下の記述を試みたことを始めにお断りしておく。しかし,pneumonitisという言葉そのものについても,現在でも必らずしも概念として統一された見解はない。昭和39年,本間が肺炎と肺臓炎(pneumonie & pneumonitis)と題して1),両者の概念の歴史的な経緯について調査し,この言葉の生まれたゆえんとして,①非細菌性肺炎を細菌性肺炎と区別するもの,②肺なる臓器の実質と間質とを問わず,炎症のある場合にこれを総括しようとするもの,③肺胞内浸出液貯溜を主病変とするものに対して,肺胞要素の少ない間質炎を主な変化とするものを区別しようとするものの3つをあげている。pneumonitisなる語は1940年前後から使用され始め,influenza pneumoniaの所見を特異的にあらわしたのが始まりのようであるが,その後,influenza以外のvirusを始めとして有害な原因が,類似した像を呈することが次第に明らかにされるようになった。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.