Clinical topics
過敏性肺臓炎
町田 和子
1
Kazuko MACHIDA
1
1国立療養所東京病院・内科
pp.732-733
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217145
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過敏性肺臓炎とは,真菌胞子や動物由来の蛋白などの種々の有機粉塵の反復吸入によって,アレルギー反応を起こして生ずるびまん性(肉芽腫性)間質性肺臓炎であり,外因性アレルギー性肺胞炎とも呼ばれる.現在20数種類の疾患が知られている1,2)が,歴史の最も古い農夫肺やサトウキビ肺のような職業病のほか,最近では,空調設備や家庭用加湿器の汚染により生ずる過敏性肺臓炎が注目されている.動物性異種蛋白によるものは,主に鳥の飼育者が発症し,鳥飼病,鳩飼病,インコ飼病がある.
わが国では継らのサトウキビ肺3)が最初の報告であるが,欧米と異なり抗原の同定された過敏性肺臓炎は20例に満たない4〜8).一方,本邦では夏季に発生する過敏性肺臓炎が注目されており,既に報告は100例をこえ,越智ら9),村尾ら10)は詳細な報告を行っている.
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