今月の主題 生理検査・1
カラーグラフ
過敏性肺臓炎
河合 健
1
1慶応義塾大学・内科
pp.428-430
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915086
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過敏性肺臓炎は,有機塵埃抗原を繰り返し吸入しているうちに個体が経気道的に感作され,再度の抗原吸入により肺に炎症性病変を起こす疾患群を指す.肺病変は病理組織学的には肉芽腫性肺臓炎とも呼ばれるもので,血清中には高い力価の抗体が見いだされる.この疾患は農夫肺,砂糖きび肺症,楓皮病,鳥飼病など,発症の環境や原因となる塵埃源の異なる20種余りの病気から成る.我が国では,夏に多発する夏型過敏性肺臓炎と呼ばれる疾患があることが明らかとなりつつあり,過敏性肺臓炎の過半を占めるが,病因は明らかではない.夏型過敏性肺臓炎の中には,毎年同じ時期になると繰り返す症例もあるが,過敏性肺臓炎は予後佳良な疾患で,抗原から隔離すれば自然に軽快し,副腎ステロイド剤が著効を奏する.
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