今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー
アレルギー性肺疾患
いくつかのタイプのアレルギー反応が関与している疾患
過敏性肺臓炎
越智 規夫
1
1大阪府立羽曳野病院・第4内科
pp.1186-1187
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220446
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過敏性肺臓炎とは
有機塵に含まれるカビの胞子や動物性蛋白質などの抗原を吸い込んだ個体が免疫学的に感作され,再吸収に際して肺におけるアレルギー反応の結果,間質性肺炎を起こす一群の疾患を総括して,過敏性肺臓炎または外因性アレルギー性肺胞炎と呼ぶ.反復性の呼吸困難を主徴とするが,喘息と異なり喘鳴を伴わず発熱をみる.18世紀以来ヨーロッパで,農夫肺,醸造業者肺,鳩飼病など約20種類の職業名を冠した病名が知られてきた.近年,加湿器肺の発見により職業病の枠を超えた環境性疾患として見直され,わが国では表1のごとき報告がある.なかでも夏型過敏性肺臓炎2)は本邦特有の疾患として注目される.低分子化合物がハプテンとなり発症するイソサイアネート肺臓炎も,広義の過敏性肺臓炎として扱われる.
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