臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅵ.血液検査
54.線溶現象
安部 英
1
,
田原 千枝子
1
Takeshi Abe
1
,
Chieko Tahara
1
1帝京大学医学部・第1内科
pp.2216-2218
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219375
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線溶現象測定法
線溶現象の測定には種々の方法があるが,大別して次の4つの活性ないし因子量測定法がある.すなわち,①線溶能を活性化するプラスミノゲン・アクチベータ(Act)の活性,②線溶能の主体となるプラスミノゲン(PLg)量,③PLgの基質であるフィブリノゲンまたはフィブリン(あわせてフィブリン体)と両者の分解産物(FDP)量および④線溶能の阻害物質(活性,量)の測定であるが,これらの線溶反応系における役割を図に示し,上記測定目標を実線で囲んだ1).
一般に線溶の亢進は出血に,その低下は血栓形成につながるが,通常線溶の亢進はアクチベータの増加またはα2アンチプラスミン(α2AP)の減少が主因で,線溶の低下はアクチベータの減少,フィブリノゲンの増加,プラスミノゲンの減少が原因となる.
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