先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
リプロダクションと凝固線溶系
排卵・受精・着床と線溶現象
中林 正雄
1,2
,
坂元 正一
1,2
,
武田 佳彦
1,2
Masao Nakabayashi
1,2
1東京女子医科大学母子総合医療センター
2東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.661-663
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207448
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線溶現象(線維素溶解現象,fibrinolysis)とは,プラスミノゲンがプラスミノゲンアクチベーター(PA)によってプラスミンという酵素に活性化され,このプラスミンがフィブリンを溶解する現象のことである。線溶現象は一度固まった血液を溶解して血流を保つという機能だけでなく,最近の酵素学的研究の進歩にともない動脈硬化,炎症,腫瘍の増殖,生殖生理などの生命現象に密接に関与していることが知られてきた。
本稿ではリプロダクションの原点である排卵・受精・着床に線溶現象がどのように関与しているかについて概説する。
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