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線溶現象の測定には多くの方法があるが,まだこれだけで十分だというものはなく,実際にはいくつかの方法による測定値を組み合わせて線溶活性を判断している.現在一般には①フィブリン平板(従来からの標準平板と加熱平板のほかに,最近は基質フィブリノゲンからまじっているプラスミノゲンを除き,アガローズまたはアガールとともに固めて,加熱平板と同じ目的に用いる平板がある)の上に,検体である血漿,血清あるいはそれらのユーグロブリン分画をそのままか,またはこれにストレプトキナーゼ(SK)かウロキナーゼ(UK)を加えて載せ溶解面積を測る方法と,②検体である血漿のユーグロブリン分画の溶解時間を測る方法と,③検体に一定量のプラスミンを加えてフィブリン平板に載せ,同量のプラスミンのみの対照と溶解面積を比較して線溶阻害物質を測定する方法と,④線溶によりフィブリン体が分解されてできた分解産物(FDP)を測る方法が行われている.うち④は次項で述べられるので,ここでは初めの方法を頭において異常値の得られる場合を考えてみる.
生体内で線溶活性が異常値を示すには,もとよりプラスミンの活性が異常に高いか,反対に異常に低いかでなければならないが,プラスミノゲンが活性化されてプラスミンになるとやがて阻害物質の作用で活性が中和される(10分後にはすでにこの中和作用がみられる).したがって生体内でプラスミン活性が把握できるには,活性化の起こりつつある時に採血しなければならない(①の加熱平板や純化フィブリン平板ではプラスミン活性が測れる).しかし実際にはこの活性化の時期を予知することも,確認することも容易でないので,随時このような活性化が起こった時どれだけの活性が発揮されるか,そのポテンシャルをみる意味で血液中のプラスミノゲン量(①で検体にSKやUKを加えたもので測れる)やこれを活性化するアクチベータの活性(検体としてユーグロブリン分画を用いる場合は①,②,ことに②でアクチベータ作用を優位に反映する.しかしこの場合プラスミノゲン量やフィブリノゲン濃度も測定値に影響する)を測定する.
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