臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VI.血液検査
50.線溶現象
安部 英
1
1帝京大第1内科
pp.1748-1749
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216154
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線溶現象の測定には多くの方法があるが,まだこれだけで十分だというものはなく,実際にはいくつかの方法による測定値を組み合わせて線溶活性を判断している.現在一般には①フィブリン平板(従来からの標準平板と加熱平板のほかに,最近は基質フィブリノゲンからまじっているプラスミノゲンを除き,アガローズまたはアガールとともに固めて,加熱平板と同じ目的に用いる平板がある)の上に,検体である血漿,血清あるいはそれらのユーグロブリン分画をそのままか,またはこれにストレプトキナーゼ(SK)かウロキナーゼ(UK)を加えてのせ溶解面積を測る方法と,②検体である血漿のユーグロブリン分画の溶解時間を測る方法と,③測定目標に応じて特異的な合成ペプチド基質を選び,その一定量に検体を加えて,基質の分解により生じた呈色物質の量を計測する方法と,④線溶関係因子の抗体を用意し,その一定量に検体を加えて,検体中の抗原量を赤血球やラテックス粒子の凝集状況から計測する方法と,⑤ラジオイムノアッセイにより過剰に加えた成分の残高を計算し,検体中の因子を計測する方法と,⑥線溶によりフィブリン体が分解されてできた分解産物(FDP)を測る方法などが行われている.うち④は次項で述べられるので,ここでは初めの方法を頭において異常値の得られる場合を考えてみる.
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