臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VI.血液検査
49.Paracoagulation test
池松 正次郎
1
1東医大臨床病理
pp.1746-1747
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216153
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Paracoagulationとは
従来,血液が凝固することはトロンビンによってフィブリノゲンがフィブリンに転化することであって,トロンビンの酵素作用と基質としてのフィブリノゲンのあいだでのみ成立するものとされていたが,基質がフィブリノゲンそのものでなくとも,また反応を惹起させる物質がトロンビンでなくてもフィブリン様の凝塊あるいは沈殿物を形成する現象のあることが認められた.
Paracoagulationの反応を大別すると,enzymaticなものと,non-enzymaticなものに分けることができる.Enzymatic paracoagulationを惹起させるものはトロンビンであり,その基質としてはフィブリノゲン由来のX分画,つまりXfpのほか,フィブリノペプチドAのみを遊離したいわゆるdes A fibrinがフィブリンモノマー(FM)としてフィブリノゲン,FDPあるいはcold insoluble globulin(Clg)と結合したsoluble fibrin monomer complex(SFMC)などがあげられる.またnon-enzymatic paracoagulationを惹起する物質の代表的なものは硫酸プロタミンで,基質としては,やはりSFMCのほか,X,Y分画などのFDPがあげられる.
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