皮膚病変と内科疾患
壊疽を主徴とする皮膚病変と内科疾患
三浦 修
1
1杏林大皮膚科
pp.1872-1873
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206318
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壊疽とは表在組織が壊死を起こして附着している状態をいい,その深さは問わない.したがってこれを除去すれば多くは潰瘍を露呈し,稀にはびらんのこともある.この壊死組織が乾燥している場合には乾性壊疽またはミイラ化と呼び,湿潤していれば湿性壊疽と呼ばれる.実際問題としては後者が多く,これに微生物が着生して腐敗臭のはなはだしいこともある.また乾性壊疽は分画線を形成し,境界明確に周囲の健常組織と界されて紅量にとり囲まれ,緑黄色から次第に暗褐色,黒色と変ずる.これに対して湿性壊疽は,辺縁には炎症を伴うものの,壊死組織の色は一様ではない.壊死部は治癒後に醜形や機能不全を遺す.
かかる壊疽を惹起する原因は多様である.その中では血行障害によるものにもっとも頻度が高く,感染と物理的要因がこれに次ぐ.しかし,2,3の原因が同時に関与していることも稀ではない上,原因の追求に際して困難を感ずるのは,壊死組織の性状に原因に従った特徴を見出しえない点である.そのため多くの場合,壊疽の原因解明のためには多方面からの多様な検索を加える必要がある.
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