皮膚病変と内科疾患
掻痕,亀裂を主徴とする皮膚病変と内科疾患
三浦 修
1
1杏林大皮膚科
pp.1722-1723
発行日 1975年10月10日
Published Date 1975/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206277
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掻痕を主徴とする皮膚病変と内科疾患
掻痕とは,主として爪をもって掻破した場合に見られる多くは線状の皮膚欠損をいい,時には円形を呈することもある.この発疹は爪以外の機械 的刺激,たとえば釘にひっかけたりした場合にも発来する.掻痕は従ってその部分によって深さが異なり,中央部は深く,末端部は浅いのを例とし,角化層にとどまる場合,すなわち鱗屑から,棘細胞層に及ぶ場合,すなわちビランから,真皮や時には皮下組織をも露出して,すなわち潰瘍となって出血を伴い,治癒後瘢痕を遺すこともある.
掻痕の発来は偶発性の外傷を除けば,自傷か掻痒の存在を意味する.自傷には心理的ないし精神科的な検索を要することはいうまでもない.掻痒は,発疹の存する場合にはそれぞれの病名が付せられて,それぞれの病因に従って内的病変の検索を要する.
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