皮膚病変と内科疾患
膿疱および嚢腫を主徴とする皮膚病変と内科疾患
三浦 修
1
1杏林大皮膚科
pp.1430-1431
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206197
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膿疱とは水疱または小水疱と同様の形態をなしてその内容が混濁している発疹をいい,その大小や内容の混濁する原因をば問わない.膿疱内容の液体が混濁する原因としては,崩壊して生じた組織片や組織液とその変性産物,炎症細胞の侵入,異物,とくに微生物などの混入などを主とする.これらを招来する機作としては炎症の頻度がもっとも高く,その他に低温,高温などの異常温度や機械的などの物理的および化学的作用,異物の迷入などがある.
膿疱はまたその形成される深さにより,これに内容物の性状が加わって,硬さと色調に多少の差異をきたし,さらに真皮にまで達した場合には血液を混ずるため,その色調はヘモグロビンの変化に伴って紅色から暗紅色,褐色,淡褐色,黄色と,時日の経過に従って変ずる.さらに当初,水疱または小水疱として発来した発疹が,時を経るに従ってその内容が混濁して膿疱に変ずることは日常経験する所見である.
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