皮膚病変と内科疾患
胼胝または皮膚硬化を主徴とする皮膚病変と内科疾患
三浦 修
1
1杏林大皮膚科
pp.138-139
発行日 1976年1月10日
Published Date 1976/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206397
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胼胝または皮膚硬化を主徴とする皮膚病変と内科疾患
胼胝とはおおむね平坦な限局性角化層増殖をいい,その典型例は胼胝腫,いわゆる「たこ」である.臨床的にはしかし,角化層のみの増殖であるか,これに棘細胞層増殖も加わっているかの弁別は困難である.したがって,下記には臨床的に限局性角化層増殖と判断される皮膚病変の中の内的または全身的関連を有する病型について記する.
胼胝 弱い機械的刺激が長時日にわたって,頻回に同一部位に加わって形成される胼胝であり,黄白色または灰黄白色を呈し,辺縁は軽度隆起して少しく硬く触れる台状の局面をなす.本現象は機械的刺激のみならず,その他の弱い物理的刺激や化学的刺激によっても生ずる.したがって,日常生活や職業に関連するのを例とし,全身的影響はなく,単に角質増殖の傾向を有することを示唆するにとどまる.しかし,日常生活や職業との関連の証されない部位に発来した場合,たとえば学童などが特定の部位を絶えずつねったり,叩いたり,噛んだり,打ちつけたりして生じた場合には心理学的検査を要するし,特定の時期から胼胝ができやすくなったような場合には脊髄癆や脊髄空洞症などの神経疾患の発症を考慮に入れる必要がある.
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