今月の主題 出血傾向の新知識
知っておきたい出血性素因
Wiskott-Aldrich症候群
長谷川 弥人
1
,
森本 幾夫
1
1慶大内科
pp.927-929
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206038
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Wiskott-Aldrich症候群(以下 WAS)は1937年Wiskott1)により初めて報告され,出血傾向を伴った血小板減少症,湿疹,反復する感染症により特徴づけられ,1954年Aldrichら2)は6カ月の男児に同様の症状を認め,また,同胞男子40人中10人に同様の症状を認め,それが伴性劣性遺伝であることを明らかにした.予後は不良で大部分は幼少時に死亡するといわれている.現在原発性免疫不全症候群の中に含めて考えられており,T-cell,B-cellの両方に欠陥があると考えられている.また本疾患は非常に稀な疾患であり,欧米では少なくとも90例以上,本邦では筆者らの調査し得た範囲では9例にすぎない(表1).
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