シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編
Wiskott-Aldrich症候群
笹原 洋二
1
Yoji SASAHARA
1
1東北大学加齢医学研究所発達病態研究分野
キーワード:
Wiskott-Aldrich症候群
,
WAS
,
WASP遺伝子
,
保因者診断
Keyword:
Wiskott-Aldrich症候群
,
WAS
,
WASP遺伝子
,
保因者診断
pp.208-213
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903654
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
Wiskott-Aldrich症候群(WAS)は,原発性免疫不全症の1つで,臨床的に出生時から血小板容積の減少を伴う血小板減少,免疫不全に伴う易感染性,および湿疹を3主徴とするX染色体連鎖性の症候群である.わが国では,厚生省研究班で現在までに73例(原発性免疫不全症の6.8%)が登録されている.近年,いくつかの原発性免疫不全症の原因遺伝子が同定されているが,1994年に主にポジショナルクローニングによりWASP★(Wiskott-Aldrich syndrome protein)遺伝子が同定され,患者での変異が認められた1).本稿では,本疾患の臨床症状・検査所見とともに,原因遺伝子としてのWASP遺伝子変異の検索と,その病態との関連性について概説する.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.