症例
血便を初発症状とし,若年性骨髄単球性白血病様所見を呈したWiskott-Aldrich症候群
末永 祐太
1
,
吉本 優里
1
,
大熊 喜彰
1
,
兼重 昌夫
1
,
田中 瑞恵
1
,
瓜生 英子
1
,
山中 純子
1
,
水上 愛弓
1
,
五石 圭司
1
,
佐藤 典子
1
,
今井 耕輔
2
,
金兼 弘和
3
,
七野 浩之
1
1国立研究開発法人国立国際医療研究センター小児科
2東京医科歯科大学大学院茨城県小児・周産期地域医療学講座
3東京医科歯科大学大学院小児地域成育医療学講座
キーワード:
Wiskott-Aldrich症候群
,
血便
,
血小板減少症
,
原発性免疫不全症
,
若年性骨髄単球性白血病
Keyword:
Wiskott-Aldrich症候群
,
血便
,
血小板減少症
,
原発性免疫不全症
,
若年性骨髄単球性白血病
pp.417-421
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000827
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Wiskott-Aldrich症候群(WAS)は,小型血小板を伴う血小板減少,慢性難治性湿疹,易感染性を三主徴とするX連鎖原発性免疫不全症である1).責任遺伝子であるWASPの変異によりWASタンパクの発現が低下するが,その発現の程度により重症度は異なり,免疫不全を伴う重症例は早期の造血細胞移植が望まれ2),今後はレトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療が期待されている.WASには若年性骨髄単球性白血病(juvenile myelomonocytic leukemia:JMML)様の臨床像を呈する症例があり,鑑別診断に難渋することがある3).われわれは,新生児期からの血便を認め,初診時にJMML様の検査所見を呈した男児を経験したので報告する.
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.