Ex Laboratorio Clinico・9
Wiskott-Aldrich症候群
河合 忠
1
1自治医科大学・臨床病理学
pp.977-981
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914475
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Wiskott-Aldrich症候群(WAS)とは
本症候群は,別名immunodeficiency with thrombocytopenia and eczema(血小板減少症と湿疹を伴った免疫不全症)とも呼ばれているとおり,臨床的に,(1)反復感染罹患傾向,(2)血小板減少症,(3)湿疹,の三つの症状を主徴とする症候群である.
免疫不全症と言われるごとく,基本的には患者生体の免疫機能が先天的に低下し,その結果繰り返しいろいろな感染症に罹患するわけである.しかも,免疫不全の特徴としては,多糖体抗原を処理する求心性免疫機構(afferent limbof immunity)が主として侵されており,結果として体液性及び細胞性免疫の両方が障害されている.しかし,このような免疫不全が血小板減少や湿疹とどのように関連しているかは不明である.
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