今月の主題 神経内科の動き
注目されている神経病
脊髄血管造影の適応疾患
千ケ崎 裕夫
1
1順大脳神経外科
pp.1431-1435
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205659
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脊髄疾患の診断に関しては,種々の特殊補助診断法が著しく発達した今日においても,基本的には詳細な現病歴の記載,正確な神経学的検査所見が疾患の診断,治療にもっとも重要,かつ決定的役割を果たすことはいうまでもない.
しかしながら,以前は全くuntouchableと見なされてきた脊髄自身に侵襲を加える手術が安全に行なわれ,好成績を収めるようになってきた現在,より正確な診断法の確立がこの領域でも要望されるのは当然のことであろう.この意味において,最近とくに注目されてきたものとして脊髄血管撮影があげられる.この検査法の発達に伴い,単に脊髄疾患の診断に進歩をもたらしたばかりでなく,その病変の病態生理の解明,さらには根治的外科的治療法の確立と新しい分野が開拓されてきた.
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