今月の主題 循環器疾患の画像診断
Editorial
超音波検査法および心血管造影法の適応と限界
吉川 純一
1
1神戸市立中央市民病院・循環器センター
pp.956-959
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220977
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循環器疾患の画像診断の最近の進歩には著しいものがある.今ではルチンの検査法となった心電図や胸部X線を循環器検査法の第一次革命とすれば,心臓カテーテル,血管造影法は第二次革命と言える検査法である.この第二次革命により,先天性心疾患や弁膜疾患の診断は,飛躍的に進歩し,多くの患者が安全に心臓手術を受けられるようになった.
次に,臨床の場に登場したのが,超音波検査法と冠動脈造影法である.前者は患者に侵襲を与えることなく,きわめて容易に,多くの弁膜疾患や先天性心疾患,心膜・心筋疾患,腫瘍などの診断を可能にせしめた.本法なくしては診断が不可能な疾患や,本法の登場により疾患概念が整理・発展してきた疾患の存在は,超音波検査法の有用性を如実に示すものである.ドプラ法を加え,血流分析も可能となった超音波検査法は,今では日常臨床における必要不可欠な検査法としてすっかり定着した感がある.
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