Japanese
English
特集 脈管造影
脳血管撮影と手術適応
Cerebral angiogram and neurosurgical indications
千ケ崎 裕夫
1
Hiroo CHIGASAKI
1
1東京大学医学部脳神経外科
pp.1273-1286
発行日 1968年8月20日
Published Date 1968/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204666
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はじめに
脳血管撮影(cerebral angiography)は,リスボンの精神神経学者Antonio Egas Monizと外科医Almeida Limaの協力により1926年11月始められ,前者により1927年7月最初の発表を見た.脳室撮影や気脳撮影に10年近くもおくれて世に現れたこの方法は,まず欧州とわが国,ついで米国でしだいに普及し,その手技や装置や造影剤の改良発達によつて,ついに前二者に伍して脳,神経外科におけるもつとも重要な診断法のひとつとなつた.しかもこの方面において,わが国は,早くも1929年に椎骨動脈撮影(手術的であつたが)を試みた故斎藤直教授,1932年世界に先がけて経皮的頸動脈撮影を発表しこの診断法の普及に大いに役立つた清水健太郎教授,1949年経皮的椎骨動脈撮影を発表された佐野圭司教授等世界に誇るべき多くの業績があり,そのためか,外国に比べて他の諸検査,例えばisotope scanning, air studyより最も普及した検査法のように思える.
脳血流は,頸動脈と椎骨動脈とによつて,ささえられているのであるから,脳血管撮影は頸動脈撮影(carotid angiography)と椎骨動脈撮影(ver-tebral angiography)とに分けられる.
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