今月の主題 神経内科の動き
注目されている神経病
サルコイドーシスに伴う神経症状
土肥 一郎
1
1中央鉄道病院・神経内科
pp.1428-1429
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205658
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サルコイドーシス(以下「サ」と略す)に見られる罹患部位は図に示すように身体各部位に広く分布している.病変に対応するような自覚症状が出る場合は,受診することによって発見され,silentな場合は,集団検診または偶然の機会に発見されることになる.「サ」病変が神経系に発生すると,自覚症状を呈する場合がほとんど大部分なので,肺門リンパ腺腫脹などとちがい,患者として受診した人のなかから「サ」を発見することができる.しかし,そのためには「サ」による中枢神経系または末梢神経系罹患の特徴を知っておくことが必要で,たとえば脳圧亢進症状を示す患者について減圧開頭術を行なう直前に,念のため撮影した胸部X線写真で両側肺門リンパ節腫脹(BHL)を見つけるといったことも起こり得るし,また多発性脳神経障害の患者を診ても,ウイルス性またはアレルギー性のものだろうと漠然と考えて,「サ」を見おとすことも起こりうる.
この稿では「サ」における神経系罹患を,末梢神経系と中枢神経系に分けて説明を加えることにする.
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