Japanese
English
特集 脈管造影
肺血管および気管支動脈造影と手術適応
Pulmonary and bronchial arteriography: its surgical consideration
鈴木 千賀志
1
,
仲田 祐
1
,
根谷崎 敏彦
1
Chikashi SUZUKI
1
1東北大学抗酸菌病研究所外科
pp.1287-1298
発行日 1968年8月20日
Published Date 1968/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204667
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はじめに
肺には機能血管としての肺動静脈系と,栄養血管としての気管支血管系があり,両血管系は,それぞれの生理学的性格の相違にもとづき,肺や気管支の病変に際しても,それぞれ異なつた反応態度を示し,したがつて各種の肺疾患において両血管系の血管造影像は,当然のことながら別個の病像を示す.
Dünner1)らによる肺動脈造影法の開発と,これに引続く選択的肺動脈造影法の研究は2-9),生体内における肺血管系の解剖および影態学上の知見に飛躍的進歩をもたらし,肺外科手術の適応決定および手術の安全性の確立に対して計り難い貢献をなした27-33).一方栄養血管である気管支動脈造影法は,大動脈閉塞法等10-12)による非選択的造影法からSeldinger氏法による選択的造影法がおこなわれるに至り,各種肺・気管支疾患における気管支動脈造影像が明らかにされ,これによる鑑別診断上の価値が認識されるようになつた13-20).
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