特集 内科医のためのクリニカル・パール2
神経
〔心にのこる症例〕
家族性の神経難病,conjugal ALSから
成田 有吾
1,2
1三重大学医学部看護学科基礎看護学
2三重大学医学部附属病院神経内科
pp.1602-1605
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106986
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診断は病歴から
症例1
68歳,男性.1994年2月頃から始まる右手の脱力を主訴に同年9月に来院した.進行性の経過で趣味の絵画作成にも支障をきたしていた.歩行や階段昇降はまだ可能で,感覚障害や構音,嚥下の障害は生じていなかった.診察すると右前腕から右小手筋の萎縮を認めるほかに,四肢で,上肢および右側優位の筋力低下,筋線維束性収縮(fasciculation),腱反射の亢進を認めたが,足底の病的反射(Babinski徴候)はindifferrent(extensorでもflexorでもなかった).表在感覚,振動覚とも正常で,運動失調も認めなかった.診察所見から,運動ニューロン疾患を疑い,入院精査を勧めた.
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