書評
松本茂(著)―「悪妻とのたたかい―神経難病ALSと共に」
工藤 俊輔
1
1秋田大学医療技術短期大学部
pp.382
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104555
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
松本茂さんは秋田県大潟村のお百姓さんである.
松本さんは今から13年ほど前発病し,ALSと診断された.そして,発病して4年目に言葉をほとんど話せなくなってしまった.孤独と苦悶の日々が続く.しかし,村の人たちの協力で意志伝達装置(パソコン)を手に入れ,ALS協会の機関誌や支部会報に日々の悪戦苦闘ぶりを書き続けた.「負けない」「諦めない」「挑戦する」この松本さんの哲学.まさに1ページ,1ページがドラマである.
単なる闘病記ではない.人工呼吸器を用いなければ9年前に存命していなかつた人が現在,日本ALS協会の会長として日本を西に東にALS者やその家族を励ますために飛び回っている.この本は発病以来13年間,松本さんを支えてきた妻るいさんとの二人三脚の物語である.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.