特集 神経難病ケアのコペルニクス的転回
【症状コントロールの進歩】
ALSなど神経難病のアウトカムを栄養療法により変える
長岡 詩子
1
,
川田 明広
1
1東京都立神経病院脳神経内科
キーワード:
筋萎縮性側索硬化症
,
体重減少
,
エネルギー消費量
,
高カロリー療法
Keyword:
筋萎縮性側索硬化症
,
体重減少
,
エネルギー消費量
,
高カロリー療法
pp.230-232
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200143
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Case
BMIの異なる筋萎縮性側索硬化症2症例の対照的な経過
①患者:発症時年齢62歳,女性.
右下肢脱力にて発症.発症2年で診断時BMI 20.8,ALSFRS-R=43(ALSFRS-6=23),%VC 102.8%,摂食量1,574 kcal,予測TDEE(Kasarskis)=2,282kcal,実測TDEE=2,143kcal.
発症後3年,BMI 18.7,%VC 57.6%,胃瘻造設.発症後3年6カ月,BMI 16.4,pO2 69.2mmHg,pCO2 58.6mmHg,酸素療法・モルペス導入.発症後3年7カ月,呼吸不全にて死亡.
②患者:発症時年齢63歳,女性.
右下肢脱力にて発症.発症1年にて診断時BMI 30.4.摂食励行にて体重増加.
発症後3年,BMI 33.1,ALSFRS-R=29(ALSFRS-6=12),%VC 91.1%,予測TDEE(Kasarskis)=1,819kcal,実測TDEE=1,317kcal.
発症後4年,BMI 28.7,ALSFRS-R=18,pO2 65.6mmHg,pCO2 39.2mmHg,酸素療法・経管栄養導入.
発症後4年8カ月,BMI 23.2,ALSFRS-R=13と,ADLは低下するもpCO2貯留なく存命中.
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