特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
酵素および関連物質
アミラーゼとそのアイソザイム
田中 滋城
1
,
北村 勝哉
2
1東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科
2昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門
pp.197-198
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104740
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
アミラーゼを産生する臓器は主に唾液腺,膵臓であるが,アミラーゼは膵臓,唾液腺以外にも,肺・肝・腎・小腸・卵管・筋肉などに存在する.
異常値の出るメカニズムとしては,①唾液腺や膵組織の障害および膵液のうっ滞(膵管狭窄あるいは閉塞)による血中への逸脱,②腎からのアミラーゼ排泄低下,③アミラーゼ産生腫瘍からの異所性産生などによる血中アミラーゼの上昇が挙げられる.なお,膵疾患で,進行した(非代償期)場合には,アミラーゼが異常低値をとることを念頭におく必要がある.
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