技術講座 生化学
アミラーゼのアイソザイム
奥田 宣男
1
,
青木 紀生
2
1名古屋市立大学第2内科
2社会保険中京病院臨床病理
pp.614-618
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205354
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膵疾患の病態を客観的に把握する方法が乏しい現状において,血清及び尿アミラーゼ活性の測定は,膵病変を捕らえる有力な手段として広く用いられている.しかしアミラーゼは膵のみに由来するものではなく,唾液腺にも由来するために総活性を測定するだけでは不十分であり,両臓器由来のものが分類されて初めて膵疾患や唾液腺炎が適切に診断できることになり,更には各種の腹部疾患の診断,手術後の状態観察,薬剤の影響,腫瘍の有無判定などにも応用することが可能となる.幸いにも両者に由来するアミラーゼは電気泳動,ゲル濾過,カラムクロマトグラフィーなどの方法によりアミラーゼアイソザイムとして容易に分離され,その分析結果が臨床に対して有用性が高いことが広く認識されてきている.
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